ここでは、構成の都合上触れられなかった'72の各グレードについて解説していきます。
とはいえ、現物が手元にあるわけでなし、写真や画像の引用も著作権上問題アリなので、基本的に文字だけの解説になりますが。興味を持たれた方は、記事中の単語をキーワードに検索の旅に出られるのも一興かと。
そんなわけで、あくまで余録ではありますが、何かの役に立てば幸いです
なお、この時代の時計製造におけるリードタイムは数ヶ月から数年に及ぶこともあり、そのためシリアルナンバーから推定される年代と機構上の特徴が必ずしも一致しないケースが散見されるようです。実際には共食い整備や部品交換の可能性があることも考えると、ある意味闇の中な部分もあります。
]]> 続きを読む>]]>また、文中の用語で過去の記事で触れているものについては説明を省略していることもあります。あしからずご了承下さいませ。
それでは、今回入手した機械をもとに'72の特徴を見ていきましょう。
受板に記されたグレード名は"Amn Watch Co."で、最上級の"American Watch Co."に次ぐものです。シリアルNo(1,831019)は、この機械が9000個弱製造された"Amn Watch Co."グレードの'72のうち、1881年の最後に製造されたハンターケース仕様100個のうちの一つ(おそらく19番目)であることを示しており、1890年頃まで生産された'72としてはほぼ中期の個体となります。
]]> 続きを読む>]]>「72」という数字を見ただけで動物的に反応してしまう駄目人間の皆さん、コンニチワw
当サイトが久方ぶりにお送りする今回の懐中時計紹介記事として、ウォルサム懐中時計史上でも特筆すべきすべきモデル、'72 model(以下'72)をお送りします。
天才的な技術者達が、さらなる高みを目指して作り上げた一品を存分に堪能するためにも、まずは'72がどのような背景から誕生したのかを順を追って解説していきます。出典は"The American Watch Company 1872 model"(Phillip J, NAWCC BULLETIN No.304(Oct. 1996))から。
それでは、しばし前置きにお付き合い下さいませ。
]]> 続きを読む>]]>日本人としては、律儀に「マキシマス」と読み上げてしまいたくなりますが、"Maximus"という語はラテン語を源としており(英語なら"Maximum")、"s"の発音はしないそうです。少なくとも、アメリカ人はそうしているとのこと。
アメリカ時計に詳しい方にはご存知の方も多いでしょうが、ハワードというメーカーは名前こそ同じながら、単純に「ハワード」と一括りにすることができません。一般に、1903年より前のものを「オールド・ハワード」、1903年以降のものを「キーストーン・ハワード」と呼んで区別しています。
シリーズ0はキーストーン・ハワードが製造したモデルで、"Edward Howard"のようなプレゼンテーション・ウォッチを別にすれば最高と言って良いグレードのモデルです。
この時計について調べていくと、この時期のアメリカにおいてもブランドとでもいうべきものが存在していたことを伺い知ることができます。そうした背景を覗き見ることができるのも、こうしたアンティークの楽しみの一つと言えるでしょう。
今回ご紹介する時計は、そんなアメリカ懐中時計のもう一つの魅力を感じさせてくれる一品です。
]]> 続きを読む>]]>サンガモとは、かつてイリノイに在ったネイティブ・アメリカンの部族の名です。どういった部族であったかまでは調べ切れていませんが、時計に限らず、ネイティブ・アメリカンにちなんだ名詞をしばしば目にするところからすると、アメリカ人は彼らを「インディアン」として迫害する一方で、その独自の文化や剽悍さにある種の神秘や畏敬を感じていたのかも知れません。
]]> 続きを読む>]]>まだ私が右も左も判らなかった頃、ネットオークションで落札した品です。
いかにも鉄道時計然としたスタイルに惹かれて落札しましたが、その姿は今手元にある状態とは違います。ケースを交換しているわけですが、別に伊達や酔狂でやっているわけではなく。
オークション落札品の常として、ツッコミ処満載であったこのヴァンガード。今回はそのレストアの過程をご紹介します。
]]> 続きを読む>]]>アメリカ懐中時計がすっかり気に入り、処構わず買い漁っていた頃にネットオークションで落札した品です。
「銀時計を持っているなら対になる金時計も欲しい」と思っていたところ、余計な装飾もないプレーンな14金無垢のハンターケースのこの品に目を着けて落札しました。ムーブメントはウォルサム製のクレセント・ストリートです。
しかし、多石ばかりが能ではありません。宝石は15石あれば実用には十分耐えますし、鉄道時計の規格を満たすとしても17石あればよし。
石数の多少に関わらず手抜きなく作られている質の高さこそが、この時代のアメリカ懐中時計が黄金時代と呼ばれる所以です。今回はそんな一品をご紹介しましょう。
]]> 続きを読む>]]>日本においては地味な印象の強い鉄道時計(実際、その外装や文字盤は味気ないくらいに質素です)。しかし、往時のアメリカにおける鉄道時計は、まさに豪華絢爛といった様相を呈していました。
今回は、その黄金時代を感じさせる一品をご紹介しましょう。
]]> 続きを読む>]]>「銀時計」という言葉に、昔から憧れがありました。
だから、自分が懐中時計を手に入れるとしたら、何をおいても欲しいと真っ先にイメージしたのが銀無垢、蓋付きの懐中時計です。この時計はその希望にぴたりと当てはまっただけではなく、ムーブメントの仕様の豪華さ、仕上げの良さ、そして実用性においても文句のない逸品。一目惚れに近い感覚で購入し、日常生活で愛用しています。
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