まとめ

久々のPC自作と初DIY水冷を振り返る。

まとめ・総括

苦しくも楽しかったあの日々。後には灼け焦げたクレジットカードが残される……

試験を終え、環境移行をほぼ終えていよいよ実戦配備。

DIY PC/DIY水冷を振り返って

久方ぶりのDIY PC、そして初めてのDIY水冷をやり遂げた。達成感もひとしおである。

最終的な構成は次の通り。

パーツ型式名称概要
ケースPhanteks Enthoo PRO M Acrylic Window Black Edition CasesATX/MicroATX/Mini-ITX
CPUIntel(R) Core(TM) Core i7-6700K(Skylake)4.0@4.7GHz
マザーボードMSI Z170A XPower Gaming Titanium Edition(MSI 7968-001R)ATX Intel Z170
RAM[Trident Z] F4-3400C16Q-32GTZ(8192 Mbytes × 4)
VGAMSI Computer GeForce GTX 1080 SEA HAWK EK XGDDR5 8GB
電源SeaSonic SS-1200XP380PLUS PLATINUM 1200W
ストレージSamsung 950 PRO Series - 512GB PCIe NVMe - × 2Intel Raid 0 Volume
光学ドライブASUS BW-16D1HT PROBD-R
Display #0Wasabi Mango UHD 49049.0 inches 3840 x 2160
OSWindows 10 Pro 64bit
ポンプ/リザーバEK-XRES 100 Revo D5 PWM (incl. Pump)ポンプ/リザーバ一体型
ラジエータAlphacool NexXxoS Monsta 280mm radiator
ファンNoctua NF-A14 Indu. 3000 PWM × 2
ウォーターブロックEK-FB MSI Z170A XPOWER TE Monoblock
ウォーターブロックMSI Computer GeForce GTX 1080 SEA HAWK EK X
ファンコントローラNZXT Sentry LXE Touch Screen External Fan Controller

手間をかけ、暇をかけ、(そして金をかけ)、建造された新PC、その到らぬ処も含めてまさに「自分のPC」となった。

まとめとして、そのメリットとデメリットを振り返っていきたい。

良かったこと

妥協の排除

スペックを並べるだけでも一応ハイエンドの端くれと呼べるだけのものにはなっているが、個々のパーツをいつものDIY PC以上に精選できた。

そりゃまぁ、Broadwell-Eに未練がないと言えば嘘になるかも知れないが、しっかり自分で判断・決断した上での選択だし、個々のパーツを明瞭にイメージできるだけで、PC自体の動作に対する感覚が全然違う。

冷却性能

大型ラジエータに強力なファンを組み合わせたお陰で、冷却能力は充分。長時間の負荷にも余裕で耐える。空冷で同レベルのことをやろうとしたらとんでもない爆音PCになるだろう。

原則として室温以下にはならないが、汗だくで操作するようなことはさすがにない。

課題点・教訓

クリアランスの見積もり

今回はとにかくコンポーネントの搭載に悩まされた。PCコンポーネントと水冷コンポーネントをミドルタワーのケースに詰め込むとなれば当然の帰結ではあったが。

無論、事前に検討はしているのだが、実物と合わせてみないと分からないことはやはりある(多くの実物に触れる「経験」はここで大きく物を言うのだろう)。

焦って一気に揃えようとするとかなりリスクが増すので、段階を踏んで、出来れば仮組みや採寸を挟みながら腰を据えてかかった方が良いのではないだろうか。

自分の実感では、よほど手慣れていないと週末一回で仕上げきるのは難しいと思う。

カップリングの取り回し

今回思うところあって導入したカップリングだが、コストはかかったものの、その効果は非常に大きかった。

これがなければ、組立てやクーラントの注入の難易度は跳ね上がっていただろう。その意味では他人にも大いに勧めたくはある。

だが、今回使ったNS4シリーズをオススメするかというとちと話は別だ。

実際に組み込んでみるとこのカップリング、かなりデカいのである。ストレートに繋ぐと90mm位のスペースを喰う(しかも、そこからチューブが延びる)。ミドルタワー以下のサイズで全コンポーネント内蔵、という条件下だとかなり取り回しが窮屈になるだろう。

また、現在のラインナップではG1/4に対応していないのも痛い。

自分では使ったことがないが、KoolanceのQD3シリーズの方が適当ではないだろうか。

ただ、国内価格がかなり高いので、PPCSあたりで一気にまとめ買いしてしまうのがいいように思う(Koolanceの直販は送料が高いので注意)。

CPUのハズレ

これはもう運が悪いとしか言い様がないのだが、CPU、とりわけメモリコントローラが大ハズレで、折角のOCメモリがほとんどメリットを活かせていない。

定格運用で満足できるような都合の良い譲り先でもないと買い替える予算も組めないのだが、来年登場するKabyLakeにはBIOSのアップデートだけで対応可能なはずなので、それを狙うことは考えている。

が、当面はこのまま使うことになるだろう。

動作音の抑制

BGMを流したり画面に集中したりしてれば気にならない程度ではあるが、更新前より動作音は大きくなった。

ノイズ源はNoctuaのファン。とはいえラジエータ冷却の要であるし、それに見合った性能は持っているので交換すればいいというものでもない。

PWMで制御できればかなりノイズは押さえ込めるのだが、肝心のファンコントローラがPWMに対応していないので、大雑把にしか制御できない。あと200回転絞れるだけでも大違いなのだが。

マザーボードのコネクタはPWM制御に対応するが、水温と連動させることができなければ意味が無い。

つまり、温度計の接続と、温度に連動したPWM制御を可能とするコントローラが必要ということになる。

CORSAIR「Commander Mini」が条件に該当するが、不具合報告が多いので簡単には手を出せない。アップデートか後継製品が欲しいところ。

当面は我慢か様子見か。

ファンレイアウトの検討

現在のファン構成は、

  • フロント(ラジエータ冷却(PUSH) 吸気)×2
  • 天面(メモリ冷却 吸気)×1
  • リア(排気)×1

…となっていて、ファンコントローラに1ch空きがある。

折角なのでラジエータ後方にファンを置いてチップセットとSSDに風を当ててやるのはどうかと思うのだが、現在はもう一銭も余計な銭を使いたくない心境なので、いずれ。

データドライブの必要性

システムドライブの高速化を今回最優先にしたが、昨今のゲームは容量がやたら大きいらしい。

安心して運用しようと思ったら、SATAのSSDも搭載した方が良さそうだ。

ただ、M.2のRAIDなど組んだせいで、SATAポートがあと二、三本しか使えない。なるべく大容量のドライブが望ましい。

金銭感覚の麻痺

海外通販に手を出していると、「どうせ高い送料がかかるならこれもついでに……」というがそこら中に大口を開けて待っている。

必要な物、在庫状況などと物欲のバランスを取るのは生半可なことではない。苦しみ抜いて倹約しないと後日痛い目を見る(見てます(´Д`;))。

総括

今回は初めての要素が大きかったため、下調べやテストにはかなりの手間暇をかけた。

それでも起こる想定外のトラブルを解決していく過程こそがDIYの醍醐味というやつなのだろう。そう思わないと、こんな酔狂はやってられない。

手間も暇も金もかけて、ささやかな自己満足と多少の知見を得た。先達のお導きもあったが、今度は自分が誰かのお役に立てればと思うことしきり。

今回まとめた一連の記事が、誰かの役に立てば(あるいは、一笑の種となれば)これ幸いである。

まだ公開していない一番の大ネタとして、今回購入した全パーツと経費のリスト(Excel/CSV)があるのだが、予算を50%以上突き抜けてかなりイタい金額になってしまったので_(:3」∠)_、もう少し心と残高が落ち着いてから、あるいはリクエストがあったら公開を検討しようかと思う。

なお、今回はCMSを使わずベタのHTMLで書いたので、記事にコメントは付けられない。ご意見ご感想などはメールかTwitterアカウント(@PsyonG)まで頂けると有り難い。