Jun.08, 2008

いいね!気に入っちゃったよオレ

[Diary]

いよいよノートのガタも気になり始めたんで、入手したeeePCの調教を行うことにした。体調崩しまくりでここまで着手できなかったのが何だけれど。

とりあえず一通りの作業を終えてみて、結構使えそうな予感。スペックこそそう大層なものではないが、軽量化の効果がそれ以上に出ているのでそこらのプレインストール機と比べても明らかに動作が機敏。ドライブに関してはスピンドルレスを達成しているので、節約に努めれば稼働時間もそれなりに稼げそう……かな?

ただし、スペック上ギリギリな点も多く、箱出しの状態では正直なところ使い物にならないと思う。しかし、ある程度の手間をかけて無駄を省き込んだ時、必ずやこの極渋のわびPCの真価を実感できることだろう。

幸いにして発売から日が経っているので、チューン内容自体はあちこちのページで取り上げられていて検索は容易い。極限を追究するなら話は別だが、実用十分な範囲での調教は母艦側でそうしたページを閲覧しながら片手間にやれば結構サクサク進むのではないかと思う。

そんなわけで作業の基本的な手順はキーワードを頼りに検索でもしてもらうとして、やったことと実作業上のメモなどを残しておく。

nLiteによるXP(Home)の軽量化


実行前と実行後。無駄を省けば見た目も変わる。

eeepcの大きな特徴であると同時にアキレス腱でもあるSSD(4GB)。素性は良いが絶対的に容量が不足しているため、根本的に解決するにはこれが最善手。プリインストール状態から削除できるコンポーネントには限度があるし、アップデート時のゴミも取り切れない。

出荷時期によっても違いはあるものの、箱出し時の空き容量が800MBでは話にならない。これがこの処置によってSP3+IE7+Hotfix適用の上でなお2.85GB空く。

注意点はサービスの削り過ぎ。標準ドライバはいくら削除しても良いが、ハードウェアのサポートまで切ってしまうと後で困る。今回は「内蔵してないからいいか」とモデムのサポート自体を削除したらemobileのD02HWが動作しなくなった。要注意。他にもスマートカードのサポートを切るとiTunesが動作しないという例もあるらしい(え?俺削っちゃったかも;)。

あと、ドライバ統合だけでは全てのドライバが入りきらないので、一回はサポートDVDを使ってACPIドライバをインストールする必要があるようだ(これをしないとFnキーによるデバイス制御が一部できない)。

RAM(SO-DIMM)の交換(2GB)

5000円そこらで行えるので、極力行いたい。過剰なRAMは消費電力を増やすという意見もあるが、RAMディスク構築でキャッシュを追い出すことによるSSDの負担低減など、この場合はメリットの方が大きいといえる。

SDHC(16GB)の挿入

4GBのSDHCカードが同梱されているが、ここは16GBを購入して固定運用。SDなどの記録メディアはUSBリーダなり何なり使って読めばよろしい。SDHC自体は32GBまで存在するが、コストパフォーマンスから現時点では16GBが妥当。だいたい5000円以内で手に入る。

SDHCスロットのHDD化

有償のソフトもあるが、今回はケチってMicrodriveのドライバを使った詐称でSDHCスロットをHDDに擬態。NTFSフォーマット(D02HWのユーティリティが何故かNTFSのドライブにしかインストールできなかった為)してドキュメントとプログラムのインストールをこちらに回すことでSSD側の容量を節約する。速度に関しても通常のアプリケーションならそう問題にはならないし、問題にならないよう軽量なソフトを精選すべき。

ERAMによるRAMディスク構築

2GBあるメモリの768MBをRAMディスクに充て、OSからIEまで、テンポラリやキャッシュの類を全てここに追い出す。容量だけなら256~512MBでも充分なのだが、敢えて多めに割り当てることでOS側のメモリ容量≒ハイバネーションファイルのサイズをコントロールする。

ページファイルの排除

放っておくとSSDにメモリの150%近いサイズのページファイルを作られてしまうのでこれを排除。スワップが効かなくなるので512MB時にはオススメできない。保険の意味で他のドライブに申し訳程度にページファイルを作らせようかと思ったが何故かSSD側にフルサイズのページファイルを作る癖が抜けなかったので完全に廃止した。

ツール、ユーティリティ

いざというときに無理が効けば保険くらいにはなるので、eeectlとAsTrayPlusを展開したが常駐はしていない。仮想デスクトップは性に合わないので、解像度は800x480固定で運用中。

この状態で自分仕様の端末として、次のソフトをインストール。

  • ATOK2008(IMEのタコさ加減にとうとうキレた)
  • Sleipnir(Geckoを組み込む代わりにFirefoxは諦めた)
  • Shuriken2008(元々ユーザだったので。OEでなければMUAは大概何でもいいと思う)
  • 秀丸
  • IdeaTree
  • VIX
  • NOD32(予定)

FTPやSCP、ターミナル等が今のところ入ってないけど、これでサーバ弄りというのもちょっとなさそうなので、まあ必要になった時でいいかなぁ、と。ヘビィなアレとかソレとかはさすがに入れていない(こいつとどっこいのスペックで使ってた時期もあったがな…w)

使用感はなかなか良好。訊かれそうなポイントごとに所感などメモしておく。

起動・終了
起動には30秒もかからない(ZERO-3なんかリセットした日には、起動にたっぷり一分はかかるw)し、スタンバイやハイバネーションも併用できるのでPCとしてはかなり軽快に動作する。
画面
多少狭いとはいえPDAよりは広いので最低限の用には足りる。ただし、最大化状態の活用や有効表示領域を稼ぐための多少の工夫は必要になりそう。省電力の基本であるバックライトの輝度設定は最低から二段目あたりが良いように思う。
キーボード
高級でこそないが必要なキーは全て付いている。不等ピッチではあるが変な省略やオフセットをした変態配列ではないので、私のようなカナ入力派にとっては強力なアピールポイントとなる。そのサイズ故に快適とまではいかないが、かなり実用的な入力環境を得られる。PDAではたとえフォールディングキーボードと組み合わせてもこうはいかない。
サイズ・重量
A5、1kg弱。形状がノートPCなので電車の中で立って使うには根性がいるが、座った瞬間に格段の安定感を発揮できるようになる。混雑した通勤電車で使うようなものではないが、中距離以上のレンジで動く際にはかえって心地良く使えるだろう。カバンをA5サイズを基準にして選べば、小振りなショルダーバッグにeeepcと手帳とカメラと文庫本を納めてかなり軽快に動き回れるようになる。
ポインティングデバイス
タッチパッドはかなり安っぽく、デバイスとして最低限の代物でしかない。スクロール機能などは元々アテにしていないが、クリックボタンのチープさは結構気になるかも。タッチパッドアレルギー患者なら悶死するかもしれんが、私はあまり気にしない。でもクリープしまくりな糞スティックポインタを付けられたらキレたかも。
ネットワーク
有線/無線LANはごく普通に利用可能。ホットキーで無線LANはoffにできるので普段は切っている。
外部インターフェース
SDHCは固定したし、他にカード系インターフェースは持たないので、事実上USB2.0×3に集約することになるが必要充分。コネクタが左右それぞれにあるのは地味に気が利いている。VGAコネクタを標準装備しているのが面白いが今のところは使用していない。
バッテリ
現時点でまだ完走させたことがないし使用条件によっても変動するので断言できないが、稼働時間については少々心許ないところがありそう。検索した限り、実働時間はだいたい3時間前後といったところのようで、こちらの見込みとも符合する。とはいえ、こんなローコスト機で、バッテリ容量からして既に倍くらい積んでいる上に特別仕様コンポーネントの固まりとなっている日本メーカー新鋭機並の稼働時間を叩き出せというのはどだい無理な話。ここは割り切りが肝心だろう。多少値は張るが、大容量バッテリの購入は検討に値する。5+3時間なら結構なことができそうだ。ただ、本体の充電能力がかなり低く、しかも独立した充電器がないという点には要注意。
互換性
PCなので、ファイルの互換性やデータの転送に煩わされる心配はもはやない。ActiveSyncですら鬱陶しくてたまらなかった私にとっては大いなる福音。

私がPDAなど結構好きながらも長続きしなかった最大の理由はPDAの作法に自分を合わせきれなかったという一点に尽きるワケで、結局私が求めてたのは「無駄を省いて省いて省き込んだPC」であるコレだったんだなぁ、と。

メインのストレージが4GBだって、OSが1GBならそれで充分。軽量さがもたらす効果というのは立ち上がりから曲がり(?)止まりに至るまで、全てにおいて次元が違う。要は重くならんことだ。重くなると万事につけうるさくなって肝心なことが愉しめぬでのう。カカカカカ。

D4なんかは結構夢のある機械だったが、結局私にとって現実的なのはこっちだった。解像度とタッチパネルだけは埋めようのない差だが、実用性は間違いなくこちらの方が上だろう。政治的に他の選択肢は取り得なかったろうとは思うものの、あのスペックでVistaというのは自殺とまでは云わないにしてもかなり自縄自縛気味ではないだろうか。

キャンペーンで手に入れたとはいえ、¥19,800プラス一万円くらいで(正確には外付けDVDドライブやJUST SUITEなんかも買ってるんだがこれは他でも使い回せるので;)この環境が手に入るとなるとこのコストパフォーマンスはもう超絶といっていい。定価の五万プラス必要経費だとややインパクトは落ちるが、それでもなかなかのものではある。

結論。ワーパーでカナ打ちなするめ先生のような人は絶対買い。以上。

追記

メイリオ入れて表示チューン。なかなか良い感じ。

動画関連はK-Lite Mega codec packだけで済ませてしまった。お手軽。とりあえずH.264でもFLVでも問題なく再生できている。動画再生にクロックアップが必要だったらちょっとヤだなぁと思っていたのでひと安心。

あとはSkypeとかメッセンジャーの類かしらん。

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