Nov.04, 2008

物欲にトホホは付きもの

[Diary]

ここ数年なかったPC環境の一大変化、すなわちMacBookの導入。

環境を構築していてしみじみ感じたのは、スタンドアロンで何もかもこなそうというスタイルはいつの間にやらに終焉を迎えていたんだなぁ、ということ。バックアップは全てメディアではなくネットワークを介して行い、「バックアップ」「共有」がどんどん近付いていることを嫌でも実感させられる。GMailやブラウザのブックマーク(Foxmarks)は言うに及ばず、MUAのデータフォルダ(InternetDisk)から果ては異種環境での日本語辞書の同期(ATOKsync)まで。

それら全てが額面通りに動作すればハッピーだったのだが、やはりトラブルは起こるもの。

江戸屋敷の環境を構成している各種機器はそれぞれの目的に応じてチョイスしたもので、その要件自体は充たしているのだが、組み合わせて使おうとすると少しずつ問題を起こすようになった。お陰でどうにも座りの悪さを感じてしまう。だいたいこんな感じで。

CQW-HPMM-ER
一体何がご不満なのか、DHCPの設定が更新できない。リースするIPのレンジくらいは弄れなくもないのだが、固定IPを振ろうとすると設定の保存が利かなくなる。何故?同種のトラブル事例は検索にヒットせず。Web管理画面のバグかと思い、ブラウザを換えて試したりもしたが状況変わらず。スクリプトエラーの類も検出出来ず。おかげでNASはDHCPを無視して勝手IPを名乗る羽目に。
HDL2-G
I/OのファンレスNAS。1TB/RAID1で運用中。これ自体は大したトラブルを起こしてはいないのだが、公式には対応していないTimeMachineのバックアップ先としているため、いろいろ頭を抱える羽目に。
TimeMachine
MacOS Xのバックアップ機能。一応動いたのだが…

TimeMachineが公式にネットワーク経由のバックアップに対応しているのは純正オプションのTimeCapsuleだけだが、無線ルータは既にあるし、折角のバックアップなんだからRAID1か5で保護してほしい。というわけで、ある程度の目星をつけてからHDL2-Gにバックアップを取ることにしたのだが。

TimeMachineのバックアップの実体は設定の範囲内で自己拡張が可能なディスクイメージ(スパースバンドル・ディスクイメージ)ファイルで、これがマウントできればローカル接続だろうがネットワーク接続だろうがバックアップは可能、と私は理解している。初期状態ではネットワークドライブへのバックアップには制限がかかっているが、これはターミナルからコマンドを叩くだけでも解除できる(GUIで同等の操作を行うツールもある)。あとはディスクイメージを作成してNASに配置し、バックアップドライブとして指定すればOKのはずなのだが、今回使っているMacOS X(Leopard)ではこれだけでは駄目だった。

トラブルの原因の一つは、このバージョンからAFPでの平文認証がデフォルトで禁止されるようになったことらしい。PCベースのファイルサーバならサービスの方を暗号認証に対応させればいいのだが、組み込み製品ではそうもいかない。ただ、平文認証は禁止されているだけで削除されたわけではないので、これまたターミナルからコマンドを叩けば使用可能になる。GUIでラップして切り替え易くしてくれているツールもあるので今回はこちらを使用。

しかし、これでもまだ上手く行かない。

いざバックアップを開始しようとすると「ボリュームをマウントできませんでした」とのたまい、バックアップに失敗してしまう。/var/log/system.logによると、ネットワークボリュームのマウント時に"not owned by backupd"とか云って失敗している。

権限の問題ならばと短絡的にボリュームの所有権を変更しようとしたが受け付けない。ならもう特権でやったるわい、とrootアカウント(これまたLeopardの初期状態では無効にされているので有効にする)で無理くりバックアップを実行したところ、一応成功。

…しかし、何も考えなくても自動で差分バックアップを取る手軽さがウリのはずのTimeMachineで、わざわざバックアップの為だけにアカウントを切り替えなければならんというのは何かおかしい。そりゃ、Windowsでシステムドライブのバックアップ取ろうと思ったらログオフどころじゃ済まんけど。それに、rootアカウントで取ったバックアップはやはりrootアカウントから見ないと遡れないような感じ。

というわけで、運用が軌道に乗って身動きが取れなくなる前に、ユーザアカウントからのTimeMachineの恒常運用に何とか目処を付けたいというトホホ。

……今からTimeCapsule買うのは負けだよなぁ;

追記:解決した。rootアカウントで作成したスパースバンドル・ディスクイメージをNAS上に配置し、ユーザアカウントからマウントしてTimeMachineバックアップを作成したところ、バックアップが開始された。何でこれで上手く行ったのかはよく解らないが結果オーライ。しかし、バックアップ中に不正な中断があるとディスクイメージが飛ぶらしい。RAID1は物理障害には対応できるがミスオペレーションには無力。もしかしてバックアップのバックアップが必要?;

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