Jun.15, 2009

オリジナル懐中時計ポーチ(改良型)最終試作完成のお知らせ

[アンティーク時計のある暮らし]

長らくお待たせ致しました。試作を重ねてきたオリジナル懐中時計ポーチの改良型がついに試作の最終段階に入りました。大小様々な改良を加え、量産品としてはまず望みうるだけの機能を盛り込めたであろうと珍しく大言壮語してみます(笑)。

初期型(右)と改良型(左)

無論、これも設計に製造、そしてそれらの橋渡しと、実に多くの方々のご尽力あってのことで、もはや何処に足を向けて寝れば良いやら解りません。

それでは早速ご紹介いたしましょう。

サイズの決定

表比較
横比較
裏比較

前回は「16~18サイズ向け」としてかなりの幅を取ってサイズを設計したため、やや大降りな仕上がりとなっていました。今回はこの欲張りを廃し、アンティーク懐中時計では一般的な16サイズに特化してサイズの見直しを行いました。

その結果、二回り以上の小型化、スリム化を達成。後述の構造強化と併せて、非常にしっかりした造りになりました。実物を手にすると違いがはっきりと解るはずです。


内張素材の変更

従来品の裏地(右)と新採用の裏地(左)。比べてみると繊維の細さと緻密さの違いが光沢から見て取れる。

これまでは特に指定を行わなかったので、他の製品で内張として使われている布をそのまま使用していましたが、サイズの変更に伴ってよりタイトに時計を収納できるようになると、少々摩擦が気になるようになりました。

メーカーの方が化学繊維でいくつか心当たりがあるとの事だったのでサンプルを手に入れて頂き、検討した結果、裏地として採用することになりました。

極細繊維で織り上げた素材で、やや硬めながら非常に滑らかな感触です。


構造の改良

長期に渡る実用の結果、従来品には次のような課題が認められました。

  • 蓋の裏地に端からほつれが生じる
  • 革の軟化による変形
  • 原寸合わせのための詰めがやはり面倒
  • 蓋のベルクロ(オス)に紐が引っかかる

そこで、今回はサイズの変更と併せて次のように改良を加えました。

縁部処理の変更
これまでステッチだけで済ませていた蓋の縁部分について、縁を革で巻き込んだ上で縫い付ける方式に改めました。極長期間のスパンで見ればこの革も疲労・劣化する可能性はありますが、修理そのものは可能となっています。
芯材の設置
本体ベルト側にバッグの底などに使われるベルポーレンと呼ばれる素材を挿入しました。これにより本体の剛性を大幅に上げています。
緩衝材の挿入
前面、背面、底部に4mm~5mmのかなり厚いゴムスポンジを仕込みました。これにより、薄型あるいは小型機で遊びが大きくなるような場合を除けば、そのまま使用しても十分な保護機能を発揮するようになりました。
ベルクロの雄雌逆転
長期実用しての検証の結果、懐中時計用の紐に引っかかるのは専ら蓋側であることが判明したため、ベルクロの雌雄を逆としました。機能に変わりはありません。
収納状態。前面・背面の緩衝材が見える。

これから1ロット分の製造が行われます。前回と同じであれば7~8月あたりには上がると思われますが、盆にかかると8月末になる可能性もあります。

納期と頒価については確定次第別記事にてお知らせしますので、今暫くお待ち下さいませ。

Here are 3 Comments & 0 Trackbacks

Comments

From :えだ : 2009年06月16日 20:16

お初でございます。m(__)m
前回の製作時には、こちらのサイトを発見できていなかったため、今回の製作には大変興味を持って拝見しております。
今回は是非是非是非。

From :K.Ue : 2009年06月17日 01:44

はじめまして。
最近、懐中時計を普段使いしております関係で
オリジナル懐中ポーチに大変興味をもっています。
是非注文したいと思うので宜しくお願い致します。

From :鈴木 雄一 : 2011年01月28日 20:46

はじめまして
今まで19セイコーを使っていましたが、最近ウォルサムの懐中時計を買おうかと考えています。私は背広などを着る機会がほとんどなく、どう持ち歩けば良いかと考えている時にこのサイトに行きつきました。このケースは直径50ミリ位の時計でも使えるのでしょうか。以前17か18位の時計用と書いてあった気がします。そう聞いても私は大きさがわかりません。初歩的な質問で申し訳ありませんが、私が買おうとし考えているウォルサムのクロノメターの銀時計は使えるのか教えていただきたいと思いメールいたしました。ご面倒でありましょうがお願いいたします。鈴木雄一