Nov.28, 2008

4G-XからS101へ(はやっ!!)

[Diary]

なんかこんなの手に入れてしまった。

S101box.jpg
金もねーのに何してんだ、俺……orz

そんなわけでeeePC S101を使用している。概して快適。その他インプレッションなど。

操作感
システム面から言えば、やはり新型SSDの威力なのか、あらゆる動作が軽快に。特に起動・終了、休止状態からの復帰(ただしRAM 1G時)が非常に早い。Atomのパフォーマンス自体はクロックアップした4G-Xより多少マシというレベルでそう突出したものではないが、ストレスを覚えることはほとんどない(今の環境だと、動画などを見ようとすると回線がボトルネックになる。つーか芋!ゴルァ!!)。SSDの空きは箱出し時点で12GB弱程度。直ちに不安を訴えるレベルではないが、無駄を省いてこそのカテゴリなので、nLiteとかSP+メーカとかhfslipとか取っ替え引っ替えしながら思案中(ホットフィックスのダウンロード遅ぇ-。つーか芋!ゴルァ!!)。
ヒューマンインターフェース
三本柱であるディスプレイとキーボードとポインティングデバイス。これらはいずれもこのカテゴリではほぼ最高水準と言って差し支えないと思う。パネルサイズに比して解像度がWXGA止まりなのは大人の事情という奴ですねとか、中学生が100円ショップの化粧品で飾ったようなラメ入りキーボードが意味不明とか、何が悲しくてシーソー型クリックボタンに先祖返りせにゃならんのかとかツッコミ処はないでもないが、ディスプレイの視認性は高く、キーボードのピッチ・ストロークはサブノート級であり、トラックパッドはある程度マルチタッチに対応している。
外部インターフェース
定番通り。SDカードスロットの配置だけは確かに苦しいが、自分の抜き差し頻度は高くないのでまあ妥協できる範囲。4G-XではカードスロットをHDD代わりにするというイカサマで潰れていたので、普通にカードスロットとして使えるようになっただけで御の字とも云う。
取り回し
重量は1.1kg弱。薄型フォルムで取り回しそのものは楽だが、フットプリントは「B5サブノート」そのものとなってしまっている。4G-Xと比べると優に二回りは大きく、それまで4G-Xを入れていたショルダーバッグには詰め込まないと入らず、無理があるのが悩み所。
外観
最後に外観。高級感とかスタイリッシュとか言っても所詮はUltraLowCostPC。あちこちにその限界が見て取れる。一般人への訴求のために気張ったとはいえ、苦しさは隠せない。機体随所に施されたメッキ(余談だが、USBコネクタがちょこっと当たっただけで傷がついた;)は、一年も使い込んだら角から剥げてきて溜息をつくようになるんじゃないかと思う。光沢仕上げの場所はとにかく埃や指紋が目立つので、正直なところいただけない。まあ、外観についての評価が最後に来るあたりで私のデザインに対する優先度は察してもらえると思う。ゆえに特に評価すべきものはないが、それが機能を損ねる方向に向かってないのは救い。

余談ながら、評価した現在に至るまで増設やチューニングの類は事実上していない。素の常態でここまでの快適さを発揮したことは特筆できると思う。用途自体を絞っていることもあるが、Firefox+Foxmark,ATOK+ATOKsync,あと秀丸をインストールするだけ(ダウンロード込みでも20分そこら)で、一定水準の環境が完成してしまったというのは衝撃的だった。今までだったら環境構築だけでも一日かけていた(ノートPCの場合、真っ先に必要となる作業がクリーンインストールであるという事情もあるが)というのに、だ。まさにNetbookの面目躍如か。

というわけで、実際にS101を使ってみて「このカテゴリでかなりの高水準にある」という評価は妥当だと思う。ただ、ノートPC全般に言えることだが、一定の制約内でパッケージを行う以上、どうしても取捨選択やトレードオフは発生する。その中で自分に合ったものを選び取り、いかに最適化を行うかがこの辺の道楽の妙味という奴だと思う。動画プレイヤーとして持ち運びたいならHDDの搭載は必須に近いだろうが、機能性と機動性を求める私としては性能の高いSSDの方がポイントが高い、とか。

比較として901-Xがよく挙がるが、海外で噂されているSSDをS101相当品にしたモデル(901-X GO?)が並んでいれば、選択肢としてはかなり悩ましいものになったと思う。キーボードはS101にかなりのアドバンテージがあるが、機体そのものの取り回しは901系の方に分がある。

この差は特に立って使おうとした時に顕著で、4G-Xなんかは極言すればボディを下から鷲掴んで保持することさえできるが、S101はというと薄型デザインのおかげで手がかりがなく、光沢仕上げ≒滑りやすいということもあり、移動中に立って使おうとは思わない。そもそも出し入れの感覚からして全く違うし、収納にしても薄さよりフットプリントの小ささの方が効く局面がある。

構造上バッテリの大容量化が容易というのも901系の強みだろう。ディスプレイの解像度がサイズ相応に拡大していれば差別化ポイントになったので、解像度が同一というのはS101にはちと痛いところか。

「非常に取り回しやすい軽作業用B5サブノート」という感覚が自分のスタイルにマッチするなら、S101は現状でほぼ最高の選択肢と言って差し支えない。このバランスをコンパクトさやバッテリに振る方が好みなら901系の性能強化を待つのも賢明だろう。

4G-Xを皮切りにいきなりブームとなってしまったnetbookというカテゴリ。わずか3Qでここまで性能が上がるとは思わなかった。重量級コンテンツ作成以外なら大半の用がこれで足りてしまう性能の機体が片手万円の領域に氾濫するというのは数年前でも考えられなかったことだ。大したものだと思う。

ただ、これがどこまで続く流れかは分からない。

このカテゴリは確かに急激に性能を上げたが、M$やIntelの思惑からくる制約に突き当たっていて、仕様上の性能はほぼ頭打ちになってしまっている。この段階で過当競争に突入しつつあるという流れが果たして健全なモノかどうか。また、「流行りモノ」にしてしまった事で、本来「『分かっている』奴が割り切って使う」という暗黙の一線を無理に越えてしまったような気もする。

その辺りの歪さが「netbookバブル弾けた」なんて2009年の総括に繋がらないといいんだけど。

追記

言ってるそばから901-16Gが発表され、明日にも発売。そういうリリースは早くしてくれ。

901の弱点がほぼ消え、キーボードと機体容積(大雑把な計算で901比で10%ほどスリム?)でS101、フットプリント(S101は901の20%増)とバッテリ容量で901-16Gにアドバンテージがある状態となった。これで実売15000円程度差がつくとなると、901-16Gの方が好きになってしまう私がいる…(をぃ

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